主な実験設備


(1) フェムト秒パルスレーザー1(時間幅・波長可変)
  時間幅25-100 fs,中心波長780-820 nmの範囲で,指定されたフェムト秒光パルスを安定して出すことができる高性能のモード同期チタンサファイアレーザーシステムです。本研究室では,テラヘルツ時間領域分光全般のための励起/サンプリング光源として用いられています。

                




(2) フェムト秒パルスレーザー2(広範囲波長可変)
  フェムト秒光パルスの中心波長を770-910 nmの広範囲で自由に変えられ,(1)と相補的な性能をもつモード同期チタンサファイアレーザーシステムです。本研究室では,GaAs系ナノ構造を対象としたテラヘルツ時間領域分光のための励起/サンプリング光源として用いられています。

                




(3) テラヘルツ電磁波発生・検出素子(光伝導アンテナ,電気光学結晶)
  フェムト秒光パルスをトリガーにして,テラヘルツ電磁波を発生・検出することができます。アンテナの形状や,結晶の材料・厚さによって特性が異なります。本研究室では,様々な測定条件に合わせた複数の光伝導アンテナと電気光学結晶をそろえています。

                      




(4) フーリエ変換赤外分光光度計(赤外顕微鏡付)
  中赤外領域において透過・反射スペクトルを測定することができます。微弱信号をロックイン検出するためのスロースキャンモードと外部出入力端子も備えています。

                




(5) 超高真空走査トンネル顕微鏡
  探針を試料へ近づけたときに流れる微弱なトンネル電流を検出し,原子一つ一つを観察することができる顕微鏡です。高真空チャンバー内で半導体試料を割り(へき開),清浄な断面を作る機構も備えています。本研究室では,主に半導体ナノ構造の詳細を直接調べるために用いられています。

                       




(6) 顕微分光用クライオスタットシステム(液体ヘリウム・液体窒素フロー方式)
  真空中で約4 Kの低温まで試料を冷却しながら分光測定を行うことを可能にするクライオスタットシステムです。本研究室では,標準的な石英窓をもつ外筒の他に,テラヘルツ領域用や中赤外領域用の特殊窓をもつ小型外筒もそろえています。

                  




(7) オートコリレーター(近赤外~可視域)
  フェムト秒光パルスの時間幅(最短で20 fsまで)を簡便に測定することができます。

                




(8) ファイバー分光器(近赤外~可視域)
  フェムト秒光パルスのスペクトルや,試料の発光スペクトルを簡便に測定することができます。

                




(9) 真空蒸着装置(抵抗加熱式
  真空中でAu,AuGeNi,半透明NiCrなどの金属を蒸着することができます。試料表面に薄膜電極を作製するために用いられています。

                




(10) 半導体加熱装置(不活性ガス導入機能付)
  Arなどの不活性ガス雰囲気において,試料を数分間で約500℃まで加熱することができます。化合物半導体試料へのオーミックコンタクトを作製するために用いられています。

                




(11) ターボ排気システム(オイルフリー)
  ターボ分子ポンプとタイヤフラムポンプを組み合わせたオイルフリーの排気システムです。クライオスタットの真空引きに用いられています。

                




(12) 乾燥エアー供給ユニット 2台
  取り込んだ空気から水蒸気を除去し,露点-60℃の非常に乾燥した空気を最大20 L/minの流量で連続的に供給することができます。テラヘルツ分光や赤外分光の妨げとなる水蒸気を分光装置内から取り除くために用いられています。

                




(13) 電子機器・制御機器
  デジタルロックインアンプ,ソースメーター,電流-電圧変換アンプ,デジタルオシロスコープ,デジタルマルチメーター,ファンクションジェネレーター,光チョッパー,精密電動ステージなど

                





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